札幌が動物園に・・・

先日、札幌市内にヒグマが出没した!ということで、イベント中止、公園閉鎖、集団下校など様々な影響があったわけですが、札幌はヒグマだけではありません。キタキツネは、もう10年以上前から市街地でたまに見かけますし、最近はエゾシカの出没回数もすごいです。

10年前では札幌中心部でエゾシカが出没するのは、珍しいことで大きく報道されたのですが、今はとても頻繁に出没するようになってしまい、ニュースバリューが小さくなっただけです。

市街地にエゾシカやヒグマなどの大型の野生動物がでると、車や人との衝突や、襲われ怪我をするといった危険性が大きいです。また、市街地に出た野生動物の対処も非常に難しいです。大きく3つの対処方法があります。

対処方法

1.山まで追って帰す

数キロ先の山まで追えば、たしかによさそうですね。ただし、大型野生動物はとても足が速いです。実際に市街地に出たシカを追っている現場に同行したことがあるのですが、方向を決めるなんてまず無理です。びっくりした野生動物は興奮して追っている人に向かってくることすらあります。
ましてや、数キロ先の山までの間に、道路があり、車も人もいます。一般市民との衝突事故などの危険性も高いですね。

2.麻酔銃で眠らせて山まで帰す

手術の際に、麻酔薬を入れると、あっという間に人間は眠ります。さすがに、手で注射するわけにはいかないので、麻酔薬の入った吹き矢で眠らせようという考え方ですね。ところが、人間に追われて興奮状態の野生動物に麻酔がなかなか効かないわけです。手術の前にも、看護師さんから『はい。リラーックス。』って言われますよね。平静状態ではなく、体重も良くわからない野生動物に必要な麻酔の量なんて中々わかりません。さらに、この吹き矢・・・とんで10mです。そこまでは近づかなければいけません。もし、10mの距離で大型野生動物が自分の方に向かってきたら。残された猶予時間は約1秒、、、、危険ですね。

3.銃で殺してしまう

作業者はもっとも安全かもしれません。が、市街地でライフル銃をぶっ飛ばすなんて、これまた危険ですし、そもそも違法であることも多いです。撃ってもよい場所まで誘導して、銃で捕殺する・・・やれるものならやってみろ、ですね。最近では動物愛護関係の方々の批判も強いので、できればとりたくない方法でもあります。

 

北海道には自然がいっぱい、生き物いっぱい。確かに、それはすばらしいことです。しかし、都市で生活しているところに、野生動物が出てくるというのは、現代社会では想定外の事態です。出てきた野生動物を許容できない社会では、上記3つの対処方法も危険性が高いです。つまり、都市社会に野生動物が出てこないようにしなければ、安心できる生活はないわけです。

なぜ、野生動物が山から出てきたのか?
それを食い止めるためにはどうすればいいのか?

なんてことを、みんなが勉強して、根本的な対策(森から出てこないようにする。。。)にみんなで協力しないと、本当に札幌が動物園になってしまいますね。

 

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