エゾシカのシャープシューティング

皆さんは、シャープシューティングという言葉を知っていますか?
Googleでシャープシューティングを検索したところ、おそらく何かのゲームで使われる言葉のようです。

ここで説明するのは、ゲームの世界の話ではなく、実際の狩猟方法のひとつです。

エゾシカが北海道では爆発的に増えていて、農林業に大きな被害をもたらしています。
狩猟以外の方法で被害を止めることももちろん有効ですが、
狩猟による個体数のコントロールも有効な手段とされています。

ところが、ハンターの数が減っていたり、狩猟を行うことでスマートディアー(賢いシカ)を生み出し、
なかなか、狩猟による個体数コントロールがうまく行っていないという現実もあります。
スマートディアーとは、賢いシカという意味で、警戒心が強く、
狩るのが難しくなってしまったやっかいなシカのことです。

そこで、その解決方法として、シャープシューティングという狩猟方法があるとのことで、
北海道大学の演習牧場にて行われたシャープシューティングの試行調査に同行してきました。
シャープシューティングとは、効率的に個体数を減らす狩猟方法で、スマートディアーを作らない方法です。

そのため、以下のようなルールにて狩猟を行いました。
1.餌付けを行い、エゾシカをおびき寄せる。
2.ハンターはテント等に潜み、姿を見せない。
3.射撃音に慣れさせるため、事前に爆音器を使用する。
4.一群を全滅させ、狩猟された経験のあるエゾシカを作らない。
5.全滅させるために、狩場に来たエゾシカが3~8頭の場合に狩猟する。
6.一撃必殺(ヘッドショット、ネックショット)にて狩猟する。

調査は、約1週間行われますが、私はそのうちの2日間参加させていただきました。
(猟銃は持っていないので、お手伝いですが。。。)

結果・・・
やはり、上記のルールはなかなか厳しく、今回は一箇所に100頭以上出てきてしまったり、
1、2頭しか出てこない場所があったりと、狩猟のチャンスはめぐってきませんでした。
そもそも、この場所のエゾシカの密度が高いのが原因でしょうか??

相手が野生動物であるため、人間の思ったようには、エゾシカの行動をコントロールできません。
シャープシューティングが進んでいる欧米では、ヘリコプターからの射撃や、夜間射撃、消音機などで、
効率的に個体数コントロールを行っているとのことですが、日本では銃刀法の関係もあり、
なかなか手段が選べないのことも課題のようです。

また、シャープシューティングで捕獲されたエゾシカ肉の有効活用も課題と感じました。
そもそも、エゾシカ肉は流通量が少なく、どこも消費喚起に苦労していると聞きます。
シャープシューティングが進み、エゾシカ肉の流通量が一時的に上がった場合、
既存の処理場や、販売ルートに影響を与えることが考えられます。
今まで、少ししか流通していないため、希少価値が上がり値段が高い状況が、
急に、流通量が上がれば、価格が暴落し、既存業者が困る・・・

 

現状で考えられる課題、まだ見えてない課題など、まだまだ多くの課題がある取り組みですが、
販売の部分で、クイージが何か役割を果たすことは出来ると思っています。
今後とも、注目し、手助けできるところを見つけて行きたいと思います。

シャープシューティング待機用のテント

シャープシューティング待機用のテント(寒かったです。。。)

子供のヤギ

子供のヤギ、かわいいです。

道産子

道産子、これまたかわいいです。

 

エゾシカ

エゾシカ、5頭ぐらいでしょうか?、もうちょっと近ければ射程圏内なのですが。。。
スマートディアーを作らないためには、彼らを全滅させなければいけません。
射撃の腕ももちろん、戦略も非常に重要です。

 

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