アサヒビールの中国戦略 日経ビジネス(2009/7/6)成長の研究

アサヒビールの中国戦略は、以下の2点を同時に行うことである。
1.ブランドの浸透
  高品質の食料品(牛乳、野菜)を生産販売し、消費者にアサヒブランドを高品質であると認知させる。
2.事業規模の拡大
  現地メーカー(康師フ飲料・青島ビール)への投資、技術提供をとおして、事業規模の拡大を図る。

この戦略の大きな課題は、1.2.の土俵(ドメイン)の定義が大きすぎ、経営資源の兵站が伸び、達成までの時間がかかることにあると感じる。

食品を通して、ブランド価値の浸透を狙うには、一定量以上の種類と量を取り扱う必要があると感じるが、そもそも食品は、日本国内において、アサヒのメイン事業ではない。

メインの事業ではないものを用いて、中国にブランドを浸透できるまでの種類と量の拡大は、時間がかかることが予想される。
また、高品質食品→高品質ビールというプレミアム層商品のブランド移植も難しいと感じる。

一方で、2.の事業規模の拡大は日経ビジネス内でも指摘されているが、現状では出資比率も低く、経営の主導権を握れていないことが大きな問題である。
日本国内では枯れた技術である生産技術の提供だけでは、中国パートナーがアサヒを必要としなくなるタイミングが早々に来るのではないだろうか?

本戦略にて、目標達成するためには、スピードが重要である。

アサヒのとった戦略は、大きな回り道を行う戦略であるが、2によって、中国パートナーを自社にキープできる時間的余裕はかなり少ない。

食品→ビールという難しいブランド価値の移植をどれだけ短い時間でスムーズに行えるかが勝負であると思う。

 

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