アプティボナバンチェールのエゾシカ料理

池尻にあるフレンチ、アプティボナバンチェールのシェフ八木さんから、
『今年は熟成エゾシカやります。よろしく。』
と、言っていただいたのはとても嬉しかったです。というのも、アプティの料理は素材に手間隙をかけて、その味を引き出していて美味しく、個人的にも大好きなレストランの一つだったからです。(エゾシカの仕事をする前から、アプティにはとてもお世話になっていました。)

八木さんに熟成エゾシカを何の料理で出す予定かを聞いたら、
『熟成エゾシカをシンプルにステーキで、ソースもシンプルで、エゾシカの味を大事にしたいね。』
とおっしゃっておりました。

嬉しい言葉なのですが、今だから正直に言うと、八木さんには手間隙をかけた料理方法を試して欲しいと思っていました。ちょっと残念だな~と思っていたのですが、先日アプティに行って、エゾシカのステーキを食べたらびっくりでした。すいません、八木シェフ。ステーキというシンプルな料理方法であっても、いや、シンプルな料理方法だからこそ、素材の味を引き出すために、とんでもない手間隙が必要になることを気づかされました。

エゾシカは、熱の通し方に少し工夫が要ります。高温で一気に中まで火を入れると固くなったり、パサツキ感が出てしまいます。アプティのステーキは、なんとシェフ自ら20分もかけて、じっくり弱火で熱を入れて、エゾシカの旨みをギュッと濃縮させ柔らかくて美味しいステーキにしてくれていました。

『熱を入れるというより、あっためるが近い』

八木シェフは簡単にそんなセリフを笑っておっしゃっていましたが、忙しいレストランで、20分間、ついきっきりでフライパンの前でエゾシカ肉にをひっくり返し続け、ベストの熱加減を見極める。そんなこと、できるほうが少ないです。肉を熱でいじめるのではなく、やさしくゆっくりとあっためていく。これには脱帽です。八木シェフ、美味しいエゾシカ料理をありがとうございました。

熟成エゾシカのステーキ
綺麗なピンクで、柔らかくて味が濃縮されています。熟成肉の美味しさが引き出されています。プロの焼き方、学ぶところが多いです。
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もう一品 エゾシカの生ハムを使った温野菜のサラダ。これも、美味しかったです。
IMG_0830 

店内が落ち着いた雰囲気で、フラッシュを自粛しました。もっと美味しそうに撮れればよかったのですが、ごめんなさい。

アプティボナバンチェール
154-0001 東京都世田谷区池尻3-19-16
伊丹マンション1F アプティボナバンチェール
03-3413-5133

 

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