美味しいエゾシカ料理を食べるための3つのポイント

エゾシカの卸業者をやっていて、エゾシカ料理しか出さないカフェをやっているということで、世間的にはエゾシカの数少ない専門家になるようです。よく、どうやって美味しいエゾシカ料理を作るのかのご質問を皆様からいただきます。

ということで、美味しいエゾシカ料理を食べるためのポイントを3つに整理してみました。ちなみに、エゾシカフェのエゾシカ料理は、ポイント1、2はものすごく自信があります。自分の手柄ではないのですが、当店のエゾシカ肉は、これ以上ない最高の肉です。。。が、ポイント3は、どうでしょうね。

これはまだまだ勉強をしている最中で日々精進を怠らないように努力中です。
(あ、クイージが卸しているエゾシカ肉も、もちろん最高のエゾシカ肉です。さらにプロの料理人が上手く料理をしてくれています。このブログでもお店を順次紹介しますので、ぜひ行って見てください。)

1.肉にするまでに適切な処理が行われていること
もし、適切な処理が行われていないとすると、残念ですがどれだけ上手に料理をしても美味しいエゾシカ料理にはなりません。
いつも食べている牛や豚に関しては、法律で決まっており、『100%』食肉処理の熟練したプロによる処理が入っています。ところが、エゾシカの場合は、法律がなく100%適切な処理を行われているわけではありません。スーパーで肉を買うことが一般的になり、生き物と食事の距離が遠くなってしまった現代では、何が『適切な処理』かも分からないかもしれません。ぜひ、ここは皆さんも勉強をして欲しいと思っています。

◆参考資料
エゾシカ衛生処理マニュアル
と畜場法 →第3条 この法律で「獣畜」とは、牛、馬、豚、めん羊及び山羊をいう。 つまりエゾシカは入ってないんですよ。
東京都中央卸売市場食肉市場・芝浦と場

2.どんな人生を過ごしたエゾシカなのかを知ること
そのエゾシカが、オスなのかメスなのか、何歳だったのか、どの地域で獲られたのか、何月に獲られたのか、またその年の気候はどうだったのか、どういった処理を行ったのかをちゃんと知る必要があります。
季節に関係なく同じエサを与えられている乳牛から得られるミルクですら、冬は濃く、夏は薄くなります。和牛でも、どんな飼料を与えたかで肉質は変わりますし、ビールを飲ませたりすることもあります。エゾシカは野生動物であり、自ら自然の中でエサを探すエゾシカ肉の味が季節によって変わるのは当たり前ですし、年齢や雌雄によっても変わってきます。
『エゾシカ』だけで味を判断するのではなく、そのエゾシカがどんな人生を過ごしたのかを理解することで、味付けや、料理方法を変える必要があります。

3.上手に料理すること
ここは、とやかく言えるほど料理も上手くないのでちょっと怖いですが・・・控えめに言います。
他の肉と比べて、特別に難しいとは思っていませんが、牛や豚よりも食べなれていない肉なので、お客様にどう味わって欲しいかを考えたほうがいいかもしれません。エゾシカらしさを出す料理のほうが満足してもらえるのか、香辛料や火の入れ方を工夫してエゾシカらしさをある程度緩和するのも手かも知れません。お客様の求めるエゾシカイメージを少し超えたくらいの微妙なバランスが一番満足するかもしれないし、突き抜けてエゾシカらしさを表現するのもいいかもしれません。もちろん、プロの料理人であれば、1.2.のポイントを守ったエゾシカ肉があれば、すばらしい料理になると思います。

どうでしょうか?
ポイント3に行き着くまでには、最低限守らなければいけないのがポイント1、飼育された動物ではないために理解しなければいけないのがポイント2です。100%プロの手で処理された牛肉や豚肉ではないので、エゾシカの場合はちょっと裏側も踏み込んで理解するのが大事ってことですね。

 

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