林業再生への道 なるか、25万人産業 日経ビジネスから

日経ビジネスオンラインで、『誤解だらけの日本林業』という記事が2010年6月ぐらいまで連載されていたので、
本号(20100830)の記事も、同じ論調かと思って読んでみたが、ずっとコチラのほうが良かった。

誤解だらけのシリーズは、政策的な話が中心で、林業の効率化、予算の付け方などが主論であったが、
多少現場を知っている人間からみると、ん~、そう言っても・・・という感じがして、
現実性に乏しいのか、距離感があって分からないのか、しっくり来ていなかった。

今回の記事の編集は、小瀧麻里子さん。いくつかの自立した先進事例を紹介し、
先の記事と同様に、林業の効率化についても話をしているが、『現場がそれじゃ駄目だよ~』と、
いいそうなところをしっかりつぶしてくれている。

IHIと日吉森林組合が、共同で行った日本の林地に合う林業機械の開発事例や、
(今までは、欧州の大型で高額の林業機械導入が進められていた。)
桐生林業の若手の活用事例など、なるほどと感じられることが多かった。

日本林業の再生には、やはり以下2つのポイントが必要であると感じる。

1.作業効率の改善
これも、昔からずっと言われて続けていることではあるが、
それぞれ、採算が取れるだけの明確な目標は聞いたことがあまりなかった。
年間伐採量、月間、一日、一人当たり、といった、通常の産業では当たり前である、
『目標』を出して、それに向けた作業効率の改善が求められる。
目標達成のための手段は、機械化であったり、所有者の集約、路網の整備など、
その現場ごとに、様々考えられるが、その場所にあった、『目標』とそれに向けた改善こそが重要である。

2.外からの資金の流れを作る
ビジネスとしての成立するためには売上や、運転資金の確保が重要である。
外からの資金の流れを作るには、何か魅力的な付加価値がないと難しい。
付加価値の創造には、今までにはないアイデアが必要ではあるが、
森林ファンドの創設や、認証制度の活用、バイオマスなど、
先進事例が、様々な示唆を与えてくれている。
また、外からの資金の導入には、事業者の義務の拡大も狙いである。
義務は、責任にもつながり、モチベーションの向上にもつながると感じている。
現場のモチベーションが新たな付加価値につながるアイデアを生み出す。
そんな好循環を起こしたい。

林業と、一般消費者の距離が離れてしまい、森林に対する一般消費者のイメージも、
木材や林業を連想することが少なくなってしまっている。
林業が産業として成立することによって、一般消費者の目を向けさせて、
森林について、考えてもらいたいと考えている。

 

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