農業は工場内で進化する。 日経ビジネス 2009/8/3

工場で野菜を生産する歴史は、1974年からだそうだ。
かなり昔から行われているが、コストが高い、美味しくないと、
散々な評価であったらしい。確かに、スーパーや八百屋で見る野菜が、
工場産であることは、まったくないように思える。

で、現在は三回目のブームが到来しているとのこと。
今までよりも、生産手法が精錬され、コストが激減し、
味も良くなってきたらしい。

工場で生産することのメリットは、
1.天候に左右されず安定供給が可能なことと、
2.生産履歴を管理することによる安全性のアピール
 (農薬利用なしなども含んで)
の2つであると思う。

さて、今回のこのブームは工場産野菜を浸透させることに、
成功するだろうか?

デメリットが解消されつつあり、メリットも理解できるのだが、
工場産の野菜ということに対する心理的な障壁は、
どうにもクリアできそうな気がしない。

実際のところ、ブロイラーや鶏卵、きのこ、野菜も育苗時など、
上記野菜工場とあまり変わらない環境で生産しているが、
工場産野菜に比べれば、障壁は小さいように思える。
(値段でカバーしている??)

(ブロイラーの生産現場を見ると、ブロイラー対工場産野菜。。。
 どっちが、体に優しいかと言われると、断然工場産野菜と思うけど。)

一般消費者がスーパーで食品を買う場合

■鶏
ブロイラー 100g  50円
平飼い鶏  100g 300円

これなら、ブロイラーが普及するのも分かる。
値段が違いすぎる。平飼い鶏は、日常的に買うことは難しい。
また、ブロイラーしか売ってないスーパーも多いと思う。

■野菜
露地野菜(農薬普通) 200円
露地野菜(有機栽培) 300円
工場野菜(農薬なし) 200円

どれを買うかというと、露地野菜のほうがまだ美味しそう。
美味しい野菜が欲しければ、有機栽培を買うと思う。

ということで、今回のブームも、一般消費者に向けた普及は達成できないと考えている。

もちろん、(同じ種類の)野菜を大量に消費する加工食品メーカー、外食チェーンに向けての出荷は、
工場野菜のメリットである安定供給と安心が、非常に重要視されると思う。
カゴメ、キユーピー、味の素などの食品メーカー、
記事にもあったが大戸屋、サイゼリア、ロイヤルホストなどの外食チェーン
では、普及が進むと考えている。

 

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Comments: 1

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  • たまご

    工場野菜が、有機栽培の10分の1くらいの値段で売り出すことができたら、
    ブロイラーと同様に、工場野菜が、畑の野菜を追い出すことができるのでは??
    あまりそうあって欲しくないですけど。

     
     
     
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