日立製作所会長兼社長 川村隆氏 日経ビジネス(2009/7/20)

三大総合電機メーカーの中で、最大の規模を誇る日立が、
2009年3月期連結決算で、最終損益▲7873億円となった。
当時の社長、会長が刷新され、子会社の川村氏が会長兼社長に就任した。
昨年からの金融危機以降、業績が大幅に落ち込み、救世主として同氏の登板だそうである。

川村日立の戦略は、以下の2つである。
1.経営資源の集中
鉄道・電力といった社会インフラを中軸とし、
情報通信・環境関連を絡めた事業に経営資源を集中する。
現段階で、日立が強い部門である。特に海外での受注が伸びている。

2.グループ企業の取捨選択
もともと、優良子会社が多い上、(子会社もめちゃくちゃ多いが。。。)、
少数持分利益が大きいので、取捨選択を行うことで、
利益の底上げおよび、経営資源の集中にもつながる。
(今日の新聞に、グループ企業のいくつかを完全子会社化するという記事が、
一面に載っていました。。。)

仕事上、サーバや、ソフトウェア関連で、日立グループの営業やSEと、
話すことは多かったが、同じ日立グループとはいえ、各々の企業文化に起因するのか、
各人の考え方は大きく違う。

親会社のトップが、発言したことの意味を、末端の従業員は誰も正確に理解はできないと思う。
(従業員が知るタイミングも、新聞発表や、NEWSだと思う。)
秘匿性も必要な事項であるため、事前に知らせることはおそらく不可能ではあるとは思うが、
この戦略を成功させるには、その従業員の大多数に理解・支持される必要があると思う。

一般的な教科書に、トップメッセージの伝え方はこうある。
トップの言葉を、職位階層をおろすことで段階的に具体化し、
最終的に、従業員の仕事につながっているイメージを作ること。

ただし、会社の根幹を揺るがすような変革に関しては、
職位階層を順番におろすことは、スピードが足らないため、
一気にメッセージを伝える・理解してもらうことが求められる。

日立グループの末端の従業員は、考え方も所属する企業の文化も大きく違う。
このメッセージが正確に理解、肯定的に捉えられるか・・・

日ごろの日立グループの従業員を見る限り、難しいと思う。

取捨選択が、グループの空中分解もしくは、
元子会社が根を切られたヘチマにならないように祈るばかりである。

 

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