世界屠畜紀行 (内澤旬子)

自分の次の仕事を『食』に決めたのは、食に対する興味や問題意識があることで、
そもそも、食卓とその生産現場の距離をなくしたい。という思いからである。

生産現場は、生産者の思いや技術やいろいろなものが埋まっている。
消費者として、その現場を見ることは、実はとても面白いもので、
それを理解することで、食べているものへの本当の尊敬が生まれると思っている。

読み進めるうちに、肉や家畜や、生産者(屠畜する人)に関する考え方が、
私の考えと非常に近いな。と感じた。

まず、屠畜がかわいそうとか、神聖なものだとか、どちらかの感情論に偏るわけではなく、
自身の好奇心が沸いてきて、知りたいから調べよう。という心構え(笑)が、とても好きだ。

次に、この本の分厚さが素敵と感じる。360ページ、2段組。よくもこんなに世界各地を取材して、
本にしたな。。。と感心する。(読み手も大変です。)

屠畜のやり方(技術的)、屠畜という仕事に対するの評価
という、テーマを各国共通で調べて興味深い。

最後に、本の裏表紙にある、著者の他の作品を見て笑ってしまった。
世界の図書館、トイレ、製本現場!?を取材して、記事にする(笑)
ああ、自分と興味の対象が同じだ。。。と
小難しい文化論読むよりも、まさに、これ。こういうことを知ることが、
他の文化を知ることになるんだ~と合点した。

そんな内澤さんにはぜひ、もっといろいろなテーマで活動し本の執筆をお願いしたい。
で、次何を取材して欲しいかなと考えた結果をいくつかを出しておく。

・保育事情
 集団保育するって、日本でも昔からあったわけで、
 よく、『保育園に預けられてかわいそう』と言われるのは、
 なんか違和感がある。
 各国では、どんな保育をしているのか興味あり。
 合わせて、出産事情とかも面白そう。
 アフリカの方が、日本人は男女の産み分けもできないのか!?
 と驚かれていたとか。。。本当か?

・坊主、神官
 特権階級の場合もあるけど、実際は貧乏だったり、
 時々の政治で、下の階級に落ちたり、別の宗教が上に来たり、
 庶民の味方で尊敬されたり、尊敬されてなかったり。
 各国で、この職業に対して、どんなイメージがあるのか興味あり。
 日本人は、宗教に関して、不思議なところがあると思っているので、
 世界の坊主、神官を見ることで、日本人についても考えることができるのでは?

 

Tags: , ,

Comments

No comments so far.

  • Leave a Reply
     
    Your gravatar
    Your Name